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Technology Blog

サーバレスアーキテクチャ

2018.10.12

Chapter 1:開発スタイルの変化 -AWSの登場-

エンジニア紹介

沼田さん
常に新しい技術を探求することが大好きなエンジニア。
アンタスで取り組んでいる「サーバレスアーキテクチャ」についてお話していただきました。

▼アンタスではエンジニアに「サーバレスアーキテクチャ」のスキルを身に付ける取り組みをしているそうですが、業界としてこの技術が広まり始めたのはいつぐらいからでしょうか?

「クラウド」という言葉を聞くようになったころですね。AmazonのクラウドサービスであるAWSが登場したことにより、サーバレスアーキテクチャの技術がここ5年くらいで一気に広まりました。

「サーバレスアーキテクチャ」の概念自体はAWSの登場以前からありましたが、実際に私たちが使いやすいAWSサービスが出てきたことが大きなきっかけとなりました。特にインターネット用のストレージサービスであるAmazon S3サービスが出てきて、ファイルサーバーの冗長化やスケーラビリティなど管理をする必要がなくなりました。みんなが便利に使うようになると、技術情報もたくさん出回るようになりますから、ますます広がりに加速がつきました。

▼AWSの登場で開発スタイルにもかなり変化が出てきたようですね。

はい。オンプレミスでサーバーを立ち上げることが少なくなり、インフラサーバーなどの開発はベンダー側に任せて、私たちのような開発会社はアプリケーションの開発に注力するという流れになってきました。

▼アンタス社内で活用している「サーバレスアーキテクチャ」の種類はなんでしょうか?

今アンタスで使っているのは、スケーラブルなアプリケーションを容易に構築できるプラットフォーム「AWS Lambda」や、インターネットストレージ「AWS S3」、フルマネージメント型NoSQLデータベース「Amazon Dynamo DB」、AWSのフルマネージメント型ストリーミングサービス「Amazon Kinesis 」、メッセージキューを利用するためのサービス「Amazon SQS」などです。

▼それらを開発プロジェクトに使い始めたのはいつぐらいかでしょうか?

会社として力を入れ始めたのは、2017年初めからですが、それ以前から取り組んでいました。現在メインに開発しているプロジェクトでは、4~5年前にAWSへ移行しています。

▼アンタスの開発プロジェクトは全てAWSを活用しているのでしょうか?

いいえ。全てではなく、従来のLinux上に仮想マシンを構築するやり方が半分、AWSが半分ですね。できるだけ、サーバレスを多くしようとしていますが、既存のシステムの都合上、ライブラリーやフレームワークが、サーバレスアーキテクチャに対応していないときは、サーバレスへ置き換えられないケースもあります。そういう時には、段階をおってリプレースしていくことになります。

Chapter2:アンタスでの活用 ーメリットー

▼サーバレスアーキテクチャ、すなわちAWSを取り入れる顧客側のメリットは何でしょうか?

一番はコストメリットです。運用を始めたばかりの時だと、まだサーバーの仕様頻度が少ない状況でサーバーを常に立ち上げていると、無駄に運用コストが跳ね上がりますが、サーバーレスにするとコストダウンにつながります。

▼開発側の具体的なメリットはありますか?

構造やインタフェースがシンプルなアプリケーションが開発できます。サーバレスアーキテクチャを使っていると、1つひとつの要素を小さくして疎結合にする必要があります。疎結合にするというのは、ソフトウェアの設計的にもあるべき姿でもありますね。それは保守性を上げることにもつながります。

▼アンタスのエンジニアは、全員がAWSサービスを使った開発に対応できるスキルを持っているのでしょうか?

エンジニア15名のうち、約半分の8名がサーバレスアーキテクチャ技術を使った開発に携わりました。サーバレス専門のエンジニアというわけではなく、携わったプロジェクトでサーバレスが必要になり、順次スキルを身に付けています。ですから、これからもこのスキルを身に付けるエンジニアが増えてきます。

▼会社の方針としても、サーバレスに対応できるエンジニアを増やしていく考えでしょうか?

エンジニア全員がサーバレスアーキテクチャ技術を使えるようになることを目指しています。近い将来、アンタスの主要技術の1つになることを想定しています。

▼エンジニアの意識付けも広がっているのでしょうか?

社員への意識付けは、会社としても力を入れています。資格取得支援制度により、合格者には会社が受験料を負担してくれるなどのバックアップ体制も用意し、エンジニアがスキルアップしやすい環境をつくっています。

サーバレスアーキテクチャだけではなく、新しい技術を勉強することが好きなエンジニアがアンタスには多いですね。エンジニア自身がプロジェクトを通して興味を持ち、自発的に「じゃ、試験も受けてみよう」という流れになっていますね。

また、普段からサーバレスで実現できることを、まず考えるという流れになっています。「せっかくAWSを使うのだから、もっと使おうよ」「こんな便利なサービスもあるよ」など。以前に比べると、サーバレスアーキテクチャを取り入れやすくなっている状況もあると思います。特に新しいプロジェクト案件に関しては、エンジニアがその思考で取り組んでいますよ。

▼アンタスでサーバレスアーキテクチャに関連した他の取組などもありますか?

はい。サーバレスアーキテクチャに関連してSRE(Site Reliability Engineering)チーム体制を新たにつくろうとしています。

 

※この続きは次回「SREチーム」でご紹介します