前回に引き続きモンゴル出身のエンジニアでオフショア開発のプロジェクトマネージャーのハマスレンさん(通称ハマさん)に、モンゴルとのオフショア開発について伺いました。
▼ハマさんが入社する前のモンゴル・オフショア開発はどんな感じで進めていたのですか?
パートナー会社の日本語ができるエンジニアと、英語ができる札幌のエンジニアが窓口になり、オフショア開発を進めていました。Web会議をしたり、モンゴルのエンジニアが札幌出張したり、密なコミュニケーションをとっていましたが、話していても実際には細かい日本語のニュアンスが伝わっていなかったり、日本の習慣とのずれが発生して、開発に時間がかかってしまうことがありました。
▼現在はどんな開発体制でオフショア開発を進めているのですか?
アンタスが進めている開発スタイルは、アジャイル開発の考え方がベースになっています。みんなが問題意識をもってプロジェクトに関わり、情報共有しながら常に改善していくというスタイルです。しかし、パートナー会社の以前のスタイルでは、単純に開発して終わりという感じで、広がりが期待できないところもありました。
そこを改善するため、アジャイル開発手法を伝えながら、互いの強みを活かせる体制をつくりあげることに力を入れました。アンタスの開発スタイルをオフショア開発にも適用することで、モンゴルのメンバーもアンタスの一員として、国の違いや距離に関係なく、一つのモノづくりに参画しているイメージが強くなっています。
新しい開発案件をどのチームで進めるかについて社内検討しているときも、「ハマさんのチームにお願いしよう」「ここまではモンゴルにお願いして、札幌とつなげよう」などど、自然に声が上がるようになりました。
▼ハマさんが入社して変わったことはありますか?
※回答:採用担当 村田
モンゴルのメンバーとハマさんがWeb会議をしているときは、モンゴル語が飛び交っています。そのため、モンゴルのエンジニアの細かな考えを、ハマさんを通じて札幌のエンジニア側も把握しやすくなりました。互いに母国語ではない英語を介していると、翻訳の段階で情報が欠けてしまうことがあったようですが、それがなくなったことでコミュニケーションの質が格段に良くなり、開発スピードも向上したと思います。また、両国間の考え方の違いがどこにあるのかをハマさんが理解しているので、そこをうまく補完してくれている点でも、とても助かっています。
▼モンゴルのエンジニアのアイディアを日本側で取り入れることもありますか?
モンゴルのエンジニアの方が英語に強いため、最新技術などの情報を日本のエンジニアよりも早く入手できています。そのため、開発中にモンゴルから「こういうものがあります」や「こういうやり方があります」など、技術を紹介してもらうケースが多々あります。それを互いに調べてスキルアップしながら、最新技術を取り入れられることは、大きなメリットになっていると思います。
▼ハマさんがモンゴルのエンジニアへ業務内容を伝えるとこに気を配っていることは?
モンゴルの開発スタイルをなるべく日本の開発スタイルに合わせるように指導しています。例えば、「コミットする結果は何ですか?」「その作業には、どんな意味がありますか?」など目標や求めている成果などを明確に説明しながら、業務内容を伝えるようにしています。また、タスク管理は「見える化」を推進して、誰が何をやっているのかすぐわかるように工夫しています。最初は私がタスクを理解し口頭で説明していましたが、プロジェクト運営管理ツール(カンバン、チャット)を活用して誰がどんなタスクを持っていて、そのタスク状況と質問事項から回答後の結果などを一目で見えるように作業チャネルも用意したことで業務の進捗状況が「見える化」になって、顔を合わせでヒアリングしなくてもバソコン上でチャートを見れば状況把握できるようになりました。
▼モンゴルのエンジニアの課題はどんなところにあると思いますか?
アンタスのエンジニアは時間をとって細かく調査し、その後のメンテナンス性も考えて品質を高める意識をもって開発しています。このアンタスのやり方がモンゴルのエンジニアに、まだ浸透しきれていない部分があります。現在、問題が起きたときにアンタスのエンジニアと話し合って改善しているので、更なる技術向上に繋がっていくと思います。
▼ハマさんがアンタスで今後やりたいことはありますか?
アンタスでは時間の制限を受けることなく柔軟に仕事ができてストレスが少ないですね。時間的な余裕も生まれて、プロジェクトマネージャー業務以外に、技術調査の時間も取れるようになりました。
これからやりたいことをあげるとしたら、プロジェクトもメンバーも順調に成長していているので、モンゴルのオフショア開発をマネジメントできる人材をアンタスに増やしていきたいですね。札幌にいながら海外の開発事情にも関わりたい方、オフショア開発に興味がある方、海外のメンバーと一緒に仕事をしてみたい方、ぜひ一緒にアンタスで刺激を受けながらスキルアップをしてみませんか?