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DXプロジェクト-設計成果作成支援システム-2

【過去類似事例検索アプリ開発】

不二総合コンサルタント株式会社

道路や橋を作る、大規模店舗や住宅団地を造成する…。といった社会基盤の整備を行う際に、いきなり工事を始めるわけにはいきません。そこで活躍するのが設計コンサルタントです。
不二総合コンサルタント様では、設計コンサルタントとして土木工事や土地開発プロジェクトなどの企画段階から関わり、土地・地質の状態や環境への影響などを調査し、計画、測量、設計、申請業務、維持点検、システム開発など、幅広い事業に取り組んでいます。

▼開発の背景

建設コンサルタントの業務において、まったく同じ案件は存在しません。そのため過去の案件を参考に計画を立てたり、設計を進めていきます。この時、ベテラン社員は自身の経験・知見から計画などを立てることができますが、経験が浅い社員は、似たような過去案件を探すことが必要になります。しかし「どんな観点で」「どれが参考になる案件か」など過去案件から有用な情報を見つけ出すのは容易ではありません。

また、ベテラン社員は過去の情報や知見を伝承する必要がありますが、情報をとりまとめ、「活用できるデータ」として改めて整備するには時間も手間もかかります。

全体調査の結果より、不二総合コンサルタント様でも同様な課題があることがわかりました。

【若手社員の課題】
・担当していた人に話を聞かないとわからない
・どんな案件を見たらいいかわからない(検索キーワードが思いつかない)
・過去情報から必要を記載している箇所を見つけるのが大変 など
【ベテラン社員の課題】
・過去情報は報告書や書類にまとまっているが、どこに何が書いてあるか等を伝えるためには時間を要する
・過去データが多いため整備を行うのが大変  など

この課題を解決することで、業務の計画や報告書作成業務がこれまで以上にスムーズに行うことができ、かつ、過去情報の共有、ナレッジの共有ができることから、「過去類似事例検索アプリ」開発を行うことになりました。

※全体調査についてはこちらをご覧ください

▼開発過程

1:AI実証実験
今回開発する過去類似事例検索アプリではAIの技術を利用し、単語の意味の類似度を検索できる機能や全文検索する機能を兼ね備えるため、AIの実証実験を行いました。提供いただいた資料をAIの学習用データに整理し検証を行いました。

2:詳細仕様検討
「1」の結果を踏まえながらアプリの仕様詳細(機能詳細)を検討しましたが、単に過去案件を検索できるだけでは、作業効率化を図れないことがわかりました。そこで、
・案件情報に加えて計画書/報告書の文書も検索ができる
・検索キーワードが完全に一致しなくても近い意味の単語で検索できる
以上を機能として付加することで、より利用しやすいアプリになるよう検討を重ねました。

検討には、社員の方に集まっていただき意見を聞く分科会と、牧田社長・役員の方に加え関係者が参加する会議も定期的に開催し、不足事項が無いか確認いただきました。そして、検討を重ねアプリの仕様を決定していきました。

3:開発スタート
「2」を決定し、いよいよ開発スタートです。開発にはいっても、定期の進捗報告会議を開いていただき状況共有を行ってきました。

▼今後の展望_導入効果

不二総合コンサルト様にて検証を経て、現在運用をスタートしていただいています。

【不二総合コンサルタント 設計部 次長 藤原様】
全体調査業務から見えてきた自社の課題を解決するアプリ開発なので、社長や役員、私の意見はもちろんですが、社員の意見も取り入れたアプリにしたいと考えていましたので、アンタスさんには社員へのヒアリングや説明会などを行っていただきました。
進捗も定期的に報告、何かあれば打合せを実施するなど、常にコミュニケーションをとりながら開発ができたと思います。
今後このアプリを利用することで、検索の手間の削減など業務の効率化はもちろんですが、ナレッジの共有がスムーズになることで、会社全体で経験値の共有ができるのがとても有用だと考えています。今後、類似案件の判断はどうしてもベテランの知見が必要になるので、ベテランの知見を活かしAIの技術をより活用することで、求める情報の精度アップができればと考えています。